病院内の事は、
立場上、医療関係者側なので、
娘は、殆ど家に帰っても話さない。
未知の世界なので、
こぼれ話でも聞きたいところ。
守秘義務と言ったって、
その辺りの事は、個人名を聞くわけでもないのだから、
大丈夫だと思う。
しかし、融通の効かない娘だ。
絶対、言わない。(-_-)
ところが、先日、ふと漏らしたことがあった。
だれだれと、夜勤したら、
「必ず、急変とステルだよね、」
そういうのがあるらしい。
夜勤は日中と違い、人数は少ない。
その状態で、ナースコールは入るし、
年寄りでも、寂しいから、ちょっとした事でも呼ぶらしい。
どんな顔して対応するのだろう、
ちょっと想像して、ニヤリと笑った。
家じゃ、「何回も言ったじゃん!!、明日は夜勤って、朝からうるさい!」
偉そうに・・・・(-_-メ)・・しかし忘れてたんだから仕方ない(笑)
そんな娘が、患者さんの前じゃ、
きっと、天使に変身するのだろう(笑)
だれしも、家と外じゃ、違う顔があるのだろうけど(笑)
しかし、私の場合、あんまり変化、無いけどね・・・
そんなこんなで、夜勤は忙しい。
何事もなく、翌朝、引き継ぎとなれば、お疲れさまでしたになるが、
その夜は、そうはいかず、
深夜に患者さんが、急変になったらしい。
血圧とか心拍数とか、測定するのだろうけど、
要するに、危ない状態、危篤状態だ。
Aさんと夜勤、組んでたら、なにも起こらない筈だったらしいが、
急性期病院はそういう危険性の患者も多い。
勿論、措置はするのだろうけど、
前後の病状から、家族にコールとなった。
ところが、全く携帯電話はコール音どころか、
ツーツーツーと反応、
家に固定電話は無い。
最近、多いが年寄りほど、固定は必須、と思うが、
年金生活にり、節約節約と、安い携帯だけにする。
もう一件の連絡先も出ない。
携帯電話というのは、まず、無線だ。
線、が無いので、空中の電波なわけで、
それが、基地局、基地局をいくつも経由し、相手に届く。
地球の裏側にも届くのだけど、
携帯会社によって、大きな違いも生じる。
どこが、どうだ、というのは、敢えて言わないけど、
自分は、23年間、同じ会社のを使っていて、一度も問題は起きていない。
長年、その会社に勤めていたからと贔屓目に言うわけじゃないが、
安かろう、悪かろう、じゃ、緊急時、
あてにできない事もあると思う。
とにかく、家族には、臨終に立ち会ってもらわないといけない。
連絡する方も必死だったと思う。
数時間後、やっと、連絡が付き、
タクシーを飛ばして、来られたそうだが、
間に合った。
その間、意識が朦朧とする患者を励まし、
「もうすぐご家族が来られますからね」
「もうすぐですよ、頑張りましょう」
もう、これ以上、がんばれと言われてもね、
もう死ぬ直前なんだから・・・
それでも励ますそうだ。
ほんと、看護師さんには、頭がさがる。
家族が病院内にとうちゃくすると、
場合が場合だ、
看護師も走る。
家族も走る。
メロスだ。
ふざけてはいない。
しかし、間に合わないといけないのだ。
そりゃ、泣くよね。
看護師だって。
そう思った。
その日に当たった看護師は、
家族がお別れの時間を心おきなく過ごしたら、
その後の処置が待っている。
もし、自分が何十年か先、
どこかの介護施設でボケ老人になってようと、
これだけは、私が娘に最後、お願いしたいことだ。
このお腹から、アナタが生まれたのですよ、
こんなシワシワですが、
大事に育てました。
そんな母さんの一生でした。
・・・アカン、朝から泣けてきた。
行かねばならぬ、仕事に、・・行ってきます。
ちゃんと、病院に捨ててきてください、
忙しかったのだろうけど、
ビビリます。
弁当。
できた。
いざゆかん。